とりで法律事務所(東京港区北青山 外苑前駅)・ブログ

解決事例・トレーニングジムでの騒音対応(パーソナルトレーニング)

2025年03月29日 21:56

1 ご依頼の経緯

A社は、パーソナルトレーニングをメインとしたジムの運営をしており、マンションの一室をジム用に借りて運営していました。


営業を始めてから1年ほど経った頃から、A社の代表者Bさんは、ジムの上階の住人Cさんから、音や振動について、複数回口頭で苦情を受けました。

そこで、Bさんは、都度A社の対応として、音や振動が出ないよう防音マットを設置するなど、費用負担も伴う対策をしていました。また、賃貸借契約書の定めに従って、営業時間を日中・夜としつつも、人の就寝時間に及ぶような遅い時間までにはしていませんでした。なお、Cさん以外の近隣住民からの苦情は、これまで特にありませんでした。


その後、突然CさんからA社に、騒音等の被害を理由に150万円もの示談金名目の金銭を請求する、また、警察にも相談する、といった内容のメールが届きました。


金額を含むメールの内容に困惑し、対応をどうすべきか悩まれたBさんは、当事務所に相談に来られました。

2 当事務所の対応

Bさんから上記を含むご事情をお伺いし、また、Bさんに騒音計機能のあるアプリでひとまず簡易的に室内(トレーニング中)の音量を測定してもらったものを確認し、少なくともA社ないしBさんのお話を伺う限り、慰謝料等が認められるような受忍限度を超える騒音ではない可能性が高い、という見通しが立てられました。


また、Cさんからは特に騒音や振動等に関する資料、Cさんが主張される被害に関して診断書等の資料などの提示はない状況でした。


そこで、上記見通しを説明した上で、現段階では相談に留め、当面の対応としては、Bさんから、Cさんに、ジムの状況や実行済みの対策内容などを改めて説明し、まずは、示談金等の請求が認められると考える証拠の開示を求めるようアドバイスをしました。


その後、Bさんは、アドバイスに従って、Cさんに対して、ジム室内について、これまでに騒音対策を十分に行っていることや、弁護士に相談して受忍限度は超えておらず慰謝料等の本件請求は法的には認められない可能性が高いのではないかとの見解を伝えました。


また、まずは事実確認のために、実際に、Cさんの部屋からどの程度の騒音等が発生しているのか、資料を提供してもらう

か、一度調査・確認させてほしいこと、また、Cさんに生じたとされる健康被害等に関して、診断書等の資料を提供してほしいことを提案しました。


上記の連絡・提案をした後、Cさんから苦情を含む連絡はなくなりました(その1年くらい後にCさんは引っ越された様子でした。)。

3 解決

騒音を理由とした多額の示談金の請求 → 請求の排斥


騒音問題は、生活や営業に伴い一定程度生じてしまう場合がある他、個々人の主観によっても大きく異なる場合もあり、とても調整が悩ましい問題です。隣人関係は紛争が一度解決した後も継続されることもあって、基本的には、双方の協議により解決されるのが望ましいことも特徴的です。


当事務所では、上記のような請求を受けた場合の対応に関するジム・店舗運営者様のご相談を受け付けております。

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