解決事例・賃貸物件退去費用の不当請求
2025年02月11日 00:06
1 ご依頼の経緯
Aさんは、賃貸物件に数年住んでおり、室内で猫を飼っていました。賃貸借契約時には、ペット飼育可との説明を受けており、その前提で家賃や敷金などが設定されていました。
Aさんが住み始めてから数年したある日、Aさんの部屋の浴槽から下の階への水漏れが発生しました。水漏れの修繕工事後、賃貸人のB社から、Aさんの浴槽等の使い方や管理方法に問題があったとして、修繕工事費用(数十万円)の負担を求めて請求書がAさんに届きました。
その後、AさんはB社と話し合いをしようとしましたが、B社の担当者が高圧的な態度で、話し合うことが難しい状況でした。
その直後、B社の対応から不信につながったAさんは、仕事の都合もあって、その賃貸物件から引っ越すことを決めて、賃貸借契約を解約する旨を管理会社に伝えました。
そうしたところ、B社から、退去時の退去費用の請求(数十万円)がAさんのもとに届き、上記の請求問い合わせて、100万円に近い金額となりました。
高額請求に困ったAさんは当事務所に相談に来られました。
2 当事務所の対応
Aさんからの相談を受けてすぐに受任した後、B社に受任通知を送った上で連絡し、上記請求が認められないこと、物件の明渡し日について日程調整を依頼しました。
最初、B社からは、上記請求額を支払わなければ物件の明渡しは受け付けないとの回答でしたが、説得を続けて、物件の明渡しの立会いを約束させました。
そして、物件明渡しの日には、賃貸人(B社担当者と管理会社)・賃借人(Aさん)と当職が立会い、部屋の鍵を引き渡した他、問題となる浴槽や部屋の状態などの確認し、写真等により証拠を保全しました。
部屋の状況としては、確かに猫の小さなひっかき傷が少し見られるものの、特に酷いにおいや変色などもなく、通常の使用範囲内で部屋を使用していた様子でした。
その後、B社からの退去費用等の請求に対しては、B社から送られてきた調査報告書の内容を指摘するなどして、風呂の排水管等の経年劣化により生じたもので、水漏れがAさんの故意又は過失によるものでないことを主張しました。
また、相手方から送られてきた原状回復費用を含む退去時の請求書につき、賃貸借契約書や関連書類の他、ガイドライン(国土通省・原状回復をめぐるトラブル)などに照らし合わせて検討し、過大である部分について項目ごとに反論をして交渉を続けました。
訴訟等移行も厭わない態度で交渉を粘り強く続けた結果、請求額合計の1/4程度の金額で和解が実現しました。
3 解決
漏水による損害賠償+原状回復費用の請求 → 一定の減額での和解
退去費用が不当に高額な場合、本来不要な項目まで含めて請求されている可能性があります。まずは請求の内訳を確認することが重要です。不自然な項目は家主に説明を求めましょう。
退去費用のトラブルについて、協議が難しい場合もあるため、弁護士に交渉を依頼して対応することが有効であることもあります。
当事務所では、上記のようなトラブルの相談・ご依頼に対応しておりますので、相談等を希望される方はお問い合わせフォームよりご連絡下さい。