解決事例・相続税申告に関する税理士の債務不履行に対する損害賠償請求(報酬の返還を含む)
2024年12月12日 10:29
1 ご依頼の経緯
Aさんは、夫のBさんがお亡くなりになられたため、相続税申告を以前から懇意にしていたC税理士に依頼しました。
夫婦で事業をやっていたAさんとBさんは、これまでCさんに毎年の確定申告を依頼していましたが、C税理士は相続税申告を普段あまり扱っていないのか、ヒアリングも不十分で、(当事務所で確認した際)完成し申告をした申告書も明らかな誤りが多数見られる状況でした。
申告後、税務当局からAさんに連絡があり、税務調査を受けることになってしまいました。
その際、AさんがC税理士に調査対応をお願いしましたが、C税理士は何かとはぐらかして税務調査の立会い等の対応を一切しませんでした。
その結果、税務当局から多額の財産申告の漏れを指摘され、1000万円を超える多額の追加納税や過少申告加算税・延滞税を支払うよう指示されてしまいました。
(なお、その後、Aさんは、別のD税理士に依頼して、税務当局との折衝をしてもらい、事なきを得ました。)
Aさんは、C税理士の業務ミスや税務調査時の不誠実な対応に強い憤りを覚え、C税理士の対応により生じた損害の賠償を求めることができないかと当事務所に相談に来られました。
2 当事務所の対応
Aさんから事情をヒアリングして、C税理士の業務ミスの内容を確認し、C税理士に対して業務ミスが税理士としての注意義務に違反すると考えられました。
そこで、これが債務不履行または不法行為に当たり、それによって生じた損害(過少申告加算税や延滞税、C税理士への税理士報酬、D税理士への税理士報酬等)の賠償を求めて、内容証明郵便により通知しました。
その後、C税理士と交渉した結果、早期にC税理士が当方請求額のほぼ全額を支払う内容で合意に至り、合意に従って無事回収できました。
3 解決
税理士の業務ミスによる損害発生 → 損害の回復(税理士報酬の返還を含む)
相続税の申告につき、税理士による申告の事故が発生することがあります。税務の問題は専門性があり、その依頼者はすぐに誤りを見抜くことが難しいため、申告後、申告した税理士から自主的に、または、税務当局の指摘を受けてから問題が発覚することが少なくありません。
そのような場合、まずは、損害の減少に向けて迅速に税務当局との折衝等税務上の対応することが何より重要ですが(税理士マター)、申告の誤りが税理士の注意義務違反による場合、依頼を受けた税理士に対して損害賠償等を求めることが考えられます。
当事務所では、上記のような税理士とのトラブルについても対応しておりますので、ご相談・依頼を希望される方は、当事務所のお問い合わせフォームよりお問い合わせください。