とりで法律事務所(東京港区北青山 外苑前駅)・ブログ

無料求人広告(期間経過後、有料契約に移行)に関する契約トラブルに対する対処

2026年07月21日 20:23

【問題】

近時、広告業者から「無料でネットに求人広告を掲載できます」「有料になる前に解約すれば費用はかかりません」などと触れ込みの電話勧誘を受け、無料だし、(求人など)集客につながるのであれば、、、と思って、安易に申し込んだところ、うっかり無料期間が経過してしまい、その後、広告業者から無料期間が終了して有料契約に自動移行したなどと主張して高額の広告料を請求される、というケースが散見されます。


請求を受けた後に、申込書などの資料をよく見てみると、実際には、よく見なければ分からないほど小さな文字で解約の方法(例えば、所定の解約書面でなければ解約を認めない、など)など申込者にとって不利な内容・実質的に期限内解約が困難となるような条項が書かれていることが分かり、そして、広告業者からの請求に対して、契約の解約を申し出ても、書面の記載などを盾に解約できない旨反論してくるようです。また、店舗に電話をかけたり、書類を送ってくるため、従業員にも不安になることも。


当事務所でも、このような状況になり困ってしまった(主に小規模)事業者様からご相談を受けることが増えております。


【対処】

1 かかる広告業者の請求に対して、安易に支払いを約束したり実際に支払ったりはせず、まずは早期に弁護士に相談されて、(依頼するかどうかは別として)具体的な事案をもとにアドバイスを受けられることです。


広告業者の請求に応じて、一旦先に高額な広告料を支払ってしまった場合、こちら側からこれを取り返すことは現実的に難しいことが少なくありません。不当な請求である以上、支払を拒むべきです。


2 広告業者に対しては、内容証明郵便等による通知により、契約の解約やその他の法的な根拠をもって、断固として支払を拒むべきです。


この場合、主に、法的な根拠としては以下のような法的構成が考えられます。


【法律構成】

① 有料広告契約の不成立

② 有料広告契約の詐欺又は錯誤による取消し(民法95条・96条)

③ 関連規定の公序良俗違反(民法90条)

④ 債務不履行による契約解除(民法541条・542条)

⑤ 信義則違反

(⑥ その他。事業者間での契約のため、原則消費者契約法による解決は難しいが、事案により適用を検討する余地はある。)


なお、当職が担当した案件においても、内容証明郵便による支払拒否をした後、広告業者から音沙汰がなくなるケースも少なくありませんでした。



3 通知して支払いを拒んだ後、広告業者との交渉・やりとりの中で、広告業者から訴訟など法的措置を示唆されることもありますが、全く恐れる必要はなく、むしろ、裁判所の手続に移行した方が、広告業者も変なことができなくなり、かえって適切に処理できるケースも少なくありません。


そもそも、訴訟まで行うと費用対効果が合わないため、そこまでやってこない、簡裁事件から地裁事件に移送した段階で訴えを取り下げる、といったケースもよくあります。



4 この問題に限りませんが、事前の対策としては、そもそも、無料だからといって安易に契約書の記載などを確認せずに契約しないことですが、少なくとも、業者から提供された書面や申込書などの書面は捨てたりせず残しておく、また、できることなら、営業担当者からの説明内容を明確に記録しておく(録音やメールなどのやりとり)といった、契約当時の状況を示す証拠を残しておくことが重要です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何より、一人で悩まれて(また、当時の判断を責めてしまって)、本業に支障をきたしてしまっては本末転倒です。


当事務所では、無料求人広告のトラブルについては、事案の性質に鑑みて、通常事件のご依頼よりもディスカウントした着手金で対応するケースもございます。


当事務所へのご相談・依頼を希望される方はお問い合わせフォームよりお問い合わせください。