とりで法律事務所(東京港区北青山 外苑前駅)・ブログ

法律相談について

2025年02月10日 16:23

こちらをお読みの方は「法律相談」を利用されたことはございますか?日常生活で弁護士と関わることはそれほど多くないかもしれません。

今回は、弊所での日常を振り返ることも兼ねて、法律事務所での法律相談について、書いてみました。

1.どのような場合に法律相談をすべきなのか?

(1)例えば金銭にまつわるトラブルが発生して相手方に請求したり、裁判所の手続を利用したりする場合であったり、トラブル相手(またはその代理人の弁護士)から手紙や通知が来て相手方への対応をどうするか、といった場合に、法律事務所への相談が持ち込まれます。


また、ビジネスの場面では、契約を締結する必要が出てきた場合(その前提としてビジネスモデルのリーガルチェック)や取引先とのトラブル(例えば支払問題など)が生じた場合に、弁護士の利用が考えられます。


この他にも、様々な事柄が法律相談として持ち込まれます。


(2)弁護士へのアクセスは、大きく①知人からの紹介、②法律事務所のHPや士業サイトなどからお問合せがあります。最近だとSNS経由で相談につながるケースもでてきました。


(3)つまるところ、法律事務所(ないし弁護士)への相談の中心は「法律上の権利や義務に関する紛争ごと」または「その予防」についてです。


法律相談では、依頼者から事情をお聞きして、法的な見通しを立て、必要な手続きを説明する、ということになります。そして、例えば相手方への交渉など、具体的に弁護士が対応する場合には弁護士と委任契約を結びます。


もっとも、何が法律に関係するのか、分からない場合もよくあることだと思います。

「もしかしたら法律に関係しているかもしれない」と思った場合、一度法律相談を利用してみて、お悩みの何が問題なのか、第三者の視点を交えて考えてみることが大切です。場合によっては、他に適切な専門家の紹介も受けられるかもしれません。


また、もし相談料がネックなのであれば、無料法律相談を利用してみるのも一つの方法と思われます。

2.弁護士に相談する際のコツ

(1)できるだけ時系列にまとめておく

法律相談に入る際、弁護士はまず、依頼者から関連事情を伺うことになりますので、事情の整理に時間をかけると、その分、相談料(後述)もかかります。

弁護士としても、そもそも法律の問題なのかどうかの判断や、法的な判断に集中するため、できるだけ事前に必要な情報を整理しておきたいと考えています。


そのため、相談を受けるに当たり、利益相反に問題がないことを事前に確認した上で、相談の関連事情を(できれば時系列で)整理することはお互いにメリットがあることと言えます。


なお、法律事務所に初回相談に行った際、整理のため、「相談票」や「相談メモ」といった形で、面談前に氏名・住所などの基本情報や相談したい概要の記入をルールにしていることが多いです。また、ネット経由のお問合せですと、フォームの中に相談概要の記入が含まれていることがあります(弊所では、原則後者で対応し、必要に応じてメール等でご事情のヒアリングをしています。)。



そして、事情を整理するときのコツは、


「いつ・どこで・誰が(誰と)・何をしたのか、その結果どうなったのか」


という5W1Hを意識して、思い出したことをまとめる、ということです。

まずは、「何月何日、~(人)と■■(場所)で●●(行動)をした。」箇条書きしてみる、ということで大丈夫です。


法律相談の際、弁護士もこれを意識しています。

事前に事実を整理しておくことで、自分の思いや考えを冷静に見直すことができる点でもおすすめです。

(2)関連ありそうな資料ならまずは一通り相談に持っていく

契約書だけではなく、何か相談と関係しそうな書類や物などがあれば、口頭で内容を聴くよりも、それを読む・見てみる方が、短時間で正確な内容を把握することが可能になります。

裁判では、契約書など客観的な証拠を中心に事実を認定していきますので、書類など形に残っているものは重要なことが多いです。


バッグなどに入るくらいであれば、相談時になるべく全て持参し、法律相談の中で取捨選択した方が安心です。

事前にデータ化して送付しておくのもよいと思われます。


一般の方が不要と感じるものでも弁護士からみると必要と判断される書類もあります。その書類をきっかけにして、より具体的なアドバイスが受けられる場合もよくあります(逆もまた然りです)。

(3)具体的に弁護士にどうしてほしいのか伝える

弁護士は、相談で聞いた事情から対応策を提示します。ここで、分からないことや不安なことがあれば、納得できるまで聞いておきましょう。


また、弁護士としては、相談者が何をお望みなのか、ということが分からなければ、より具体的な対策を提示することができなくなってしまうので、「依頼した結果どうなってほしいのか」を伝えることが大切です。


これが十分でないと、また事件解決後、委任の範囲や報酬額をついて、依頼した弁護士とのトラブルにもつながりかねません。

3 各種料金の相場

法律事務所の報酬体系は原則自由化され、各法律事務所が独自に料金設定をしています。 ですので、以下はあくまでも参考という形ですが、弁護士に対する料金について書いてみました。


・法律相談料は、30分5000円(税別)をベースにしているところが多いように思われます。弊事務所のように初回30分無料とするところもあります。


・法律相談の結果、弁護士と委任契約を結んだ場合、弁護士報酬は大きく、①着手金(これは、原則として結果にかかわらず頂戴するものになります)+成功報酬型、②完全成功報酬型、③タイムチャージ型に分類できます。

①と②の基準は請求の金額(…経済的利益)の〇〇%となることが多いです(パーセンテージは事件類型など様々な要素によって決まります)。

③は〇〇円/1時間と示されます。


金額の相場については、事案や弁護士によるため一概には言えませんが、概ね、(旧)日本弁護士連合会報酬等基準を参考に弁護士費用を定めている法律事務所(もしくは個々の弁護士)が多いのではないかと思われます。



・契約書の作成については、枚数でカウントする場合や契約書の内容など様々な基準があります。

定型の契約書で5~10万円を基準とする法律事務所が多いようです。チェックのみの場合は作成の場合よりも割引されます。

※弁護士は契約の交渉過程からも対応することが可能です。


・顧問料は、通常3~5万円/月を基本料金にしているところが多いように思われます。顧問契約を締結しているクライアントの場合、個別の事件について割引を適用させていることが多いです。

4 まとめ

・法律問題かどうか分からない場合も多いので、弁護士に相談するべきかあれこれ悩む前に、まず法律相談して問題を整理してみましょう。


・相談の際には、①事前に事情を分かる範囲で整理しておく(5W1H)、②関係しそうな資料は自己判断でなく、ひとまず持ってくる、ということを意識しましょう。


・対応方針や料金体系は基本的にはオーダーメイドなので、契約の前にきちんと説明してもらいましょう。


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少なくとも本人にとってはとても重要な問題ですので、お一人で悩んで問題の先延ばしをするよりも、一度、客観的第三者である弁護士の話を聞いてみて考える方が、よい判断につながることが多いと思われます。


弊事務所でも日々相談対応しております。ご相談を希望される方は弊所のお問合せフォームからご連絡下さいませ。