とりで法律事務所(東京港区北青山 外苑前駅)・ブログ

解決事例・婚前契約書のチェック

2026年01月03日 18:01

1 ご依頼の経緯

Aさんは、婚約者のBさんと2週間後入籍予定だったところ、入籍直前、急にBさんから婚前契約書の原案を渡されて内容の説明を受け、これにサインしてほしいと頼まれました。


Aさんは、Bさんから、Bさんが自身で会社を経営しており、万が一離婚してしまうことになった場合に、会社の株式等が財産分与の対象になって、会社に影響が出てしまうことを回避したい、といった説明を受けました。


Aさんは、入籍直前に突然渡されたことに困惑し、また、婚前契約書に書かれた内容がよく分からず、自身に不利な内容も、もしかしたら含まれているのではないかと不安だったため、その場ではサインできないと伝えて、弁護士に相談してからどうするか決めることにしました(Bさんからも了解を得ました)。


そこで、Aさんは、急遽、弊所に問い合わせて、婚前契約書を渡された2日後に面談の機会を設けることになりました。

2 当事務所の対応

当日、当職が婚前契約書を確認すると、Bさんの上記懸念から、婚姻前・婚姻後の財産関係(財産分与等)について定めている内容を含むものでしたが、Aさんに大きく不利益な内容にはなっていませんでした。

ただ、文言の解釈によっては、Aさんに(離婚時に)不利に見える部分があったので、その部分を指摘し、この部分については、疑義が残らないよう~という形で修正してもらった方がよい、とアドバイスをしました。

3 解決

婚前契約書の内容が分からないことの不安 → 内容が明らかになり、不安の解消


パートナーから婚前契約書の作成を求められた場合、その内容に問題がないかしっかりと契約書の文案を確認して、話し合うことが重要です。パートナーから、「弁護士に作成・確認してもらった(から大丈夫)」、と言われた場合でも、「ご自身にとって」不利益な内容が含まれていないかどうかは、注意して確認するようにしましょう。


また、(インターネットなどで得られる)婚前契約書の雛形をそのまま使用して、実際のお互いの真意とは異なる条項のままになっている例も見られます。


検討・作成に時間がかかることもありますので、日程に余裕をもって作成されるのが望ましく、場合によっては、焦って作成するよりも、入籍日を延期するということも考えられます。


婚前契約書については、契約書に記載をすれば全て有効になるとは限らず、どこまで法的効力が認められるかという点はありますが(特に財産以外の事柄)、婚前契約書を作成する過程でしっかり将来に向けて話し合うことや、出来上がったルールによって、夫婦間で相互理解が深まることや離婚問題の長期化防止につながる可能性があると言えます。


離婚の際の財産分与(例えば、所有不動産や自身が経営する会社株式の取扱いなど)の問題にも一定の対策を講ずることが可能です。