とりで法律事務所(東京港区北青山 外苑前駅)・ブログ

解決事例・SNS運用代行・コンサルティングに関する契約の解消(解除、解約)

2025年09月08日 01:50

1 ご依頼の経緯

設立して間もないA社の代表者であるBさんのもとに、ある日、C社からSNS(Instagram等)の運用代行ができるという趣旨の営業のDMが届きました。自社の集客やマーケティングを考えていたBさんはC社のDMをみて興味を持ちました。そこで、C社の話を聞いて提案を受けた結果、C社と、毎月の運用代行等の報酬を対価に、動画制作を含むSNSの運用代行やコンサルティングに関する契約を締結しました。


契約前から契約直後にかけては、レスポンスも悪くなく、特に問題がないような様子でしたが、1カ月ほど経過してからC社からの返信が遅れはじめ、約束していたSNS用の動画の納品も遅れるようになりました。はじめは、Bさんが催促して、少しの期限遅れで動画の納品がありましたが、次第に、契約で定められた本数の動画を長期間納品されないようになりました。

一部納品された動画も、無料サイトから素材動画を寄せ集めたと思われるようなものがほとんどで、契約前にC社から提案があったような、C社の専門的な知見が含まれているとは到底思われない動画ばかり提供されました。


このような状況だったので、Bさんは、契約に従って、一定の質を保つことや納期を守るよう要望し、納品されてからその分の報酬を支払う形にしたいとお願いしました。しかし、この段階においては、C社は納品遅れが常態化していることに何の謝罪や改善策の提案もなく、むしろ高圧的な態度で、契約時に作成した契約書の記載を理由に、中途解約ができないことや毎月の報酬を支払うことを求めて請求書を送ってきました。

Bさんは、C社に不誠実さを感じるとともに、C社の対応や言動に頭を悩ませて本業に集中できなくなってしまいました。そして、納期遅れや十分な納品がないにもかかわらず、今後もC社に報酬を支払わないといけないのか、契約の解消や返金を何とかできないかと悩み、当事務所に相談に来られました。

2 当事務所の対応

当職がBさんから事情を伺って即日受任し、C社の納品遅れが債務不履行に当たり、債務不履行を理由とする契約の解除及び一部運用代行報酬の返金を求める通知書を内容証明郵便により送付しました。通知書には、契約書に中途解約を禁止する旨記載されている点について、債務不履行解除は、契約条項にある中途解約とは性質を異にし、当該条項の問題にはならないことをあらかじめ反論しました。


その後、C社から連絡はなく、通知書以後の報酬の請求も止みました(なお、既払いの報酬については、金額と費用対効果を協議の上で、法的措置を含む返金請求まではしないことにしました。)。

3 解決

SNSの運用代行やコンサルティングなどに関する契約など、毎月費用が発生する契約に問題がある場合、早期に対応することが損害や損失を最小化することにつながります。


弁護士に相談することで、法的観点から、契約の解消が可能かどうか、また、そのための具体的方法を検討し、見通しを立てることができます。交渉等を依頼した場合には、弁護士を代理人に立てることで、相手方からの不当な要求・主張に対する牽制にもつながります。


当事務所では、上記のようなSNS運用代行やコンサルティングに関する契約のトラブルについて対応しておりますので、ご相談・依頼を希望される方はお問い合わせフォームよりお問い合わせください。